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新星堂からただ一冊出ているヴィソーツキイのアルバムの始めから最後まで、あかずにきいて、そしてヴィソーツキイのとりこになりました。何かにつけてヴィソーツキイの話をしていました。
「あ、ホワイトナイトの中で歌っていた人」と言ったのは詩人の吉原幸子さんでした。あわてて映画ホワイトナイトのビデオテープを買いました。
かつての恋人、今は体制に負けてしまった女の前で彼はヴィソーツキイのレコードをかけ激しく踊る感動的な場面がありました。
「ヴィソーツキイ歌ってみようか」「いや、だめだ」「あまりにも男性的すぎる」と悩みつづけながらも吉原幸子さんに訳詞をお願いいたしました。
出来上がった詩をみたとき、歌ってみようと思い挑戦してみようと決心しました。
「トロイア」「オオカミ狩り」などきかれた方はどうしてこんな歌を歌うのかと思われるかもしれません。
私もこのような歌は再び歌わないかもしれません。
けれどもただ「一度でも歌ってみたい」という願いを、私は今夜果たすわけです。
そして私が歌わなくなっても誰かに歌ってほしいと思っています。

(1988年11月20,21,22日の草月ホールにおけるリサイタル「シャンソンとヴィソーツキイを歌う」プログラムより)

ディトリッヒによせて
わけはきかないで
夜のタンゴ
無名戦士の墓
暗闇で
こうのとり
雪に書く恋文
大地の歌
オオカミ狩り
終わりは知らない
行かないで
ワルツメドレー
人の気も知らないで
異国の人
かもめ
愛の讃歌